おりしもDCカードの雑誌、グランの今月号の連載が、作家村上龍さんのオリーブオイルとパンのことでした。 (本題は日本の雑誌に紹介されるような、イタリアンなシャツを着たイタリア人は見ないというお話)
日本のイタリアンレストランでよく出される、パンにつけて食べるオリーブオイルの小皿、あれはイタリアでは無い習慣だという記事です。 確かに私もイタリアではそんな経験はありません。(村上さんのように何回も行ったわけではないですが) でも、秋に収穫したオリーブオイルのできばえを評価するとき、しぼったオリーブオイルをパンに付けて味わう、という習慣はあると聞きました。
ただオリーブオイルとバルサミコ酢は、食事中、だいたいテーブルに常備されていて、サラダとか、ドレッシングのかわりに(というか、それがドレッシングなのです)自由に使えます。 日本のしょうゆなどの調味料と同じ感覚です。 ですから、好きな人はオリーブオイルを付けてパンを食べているかもしれませんが・・・
イタリア全部がそうなのか、これも定かではありませんが、少なくともフィレンツェなどトスカーナ地方(マルケとかウンブリアも)で出されるパンは、塩分の無い無塩パンです。 日本のパンには、けっこう塩分が含まれていて、それでパンの味があるのですが、無塩パンはご飯といっしょで、パンそのものも味はあまり感じません。 それは、パンで料理のソースをすくって食べるという目的があるからで、ソースの味をこわさないためにあえてそうしているのです。
ただし朝食のパンは違います。 焼きたてのクロワッサンから、あまあまのデニッシュまで、パンの味を楽しむパンです。
もしデパ地下のパン屋さんに「トスカニー」とか、そんなパンがあったら、たぶん無塩パンです。それだけで食べたらマズイですから試してみてください。 しずやとかどんQとか、チェーン店のパン屋さんにはないと思います。
ですから、日本の塩分を含んだ、そのものに味のあるパンに、オリーブオイルを付けて食べる意味が無いと私は思います。 ただ単にイタリア風を気取ってるだけじゃないでしょうか?
(お~お~、エラそうに!)
ハナシはそういうことなんですが、だいたいワタクシ、日本でオリーブオイルの小皿が出てくるようなレストランに行ったことがありません。 そもそも前提条件の段階でオチてますね・・・