おもしろい本を読みました。
一見、レポートとも卒論とも、何の関係もなさそうな本(じつは大いにあるのですが・・・)で、舞踊の本です。 日本人の踊りの源泉とか、たちふるまいの動きはどこからきたのか、というもの。
馬の文化が長く日本になかったのは、古代史をやったヒトには自明のことなんですが、要するに日本人は、ベタの農耕民族として千年の歴史をつむいできたわけです。 農耕民族の基本的な動作は、畑を耕すときでも、稲を収穫するときでも、基本的に、1・2.1・2の二拍子、またはその繰り返しとしても4拍子。
ところが、騎馬民族の基本は三拍子だというのです。 確かに日本人的に、ウマの擬音を表現すれば「パカパカ」です。 でもこれは歩いてるウマで、走ってるウマは、パカパカじゃなくて、「パカポッ、パカポッ」って、右前足、左前足、両後足って順に蹴りますから、確かに三拍子ですわ! (@O@;
(擬音で表現している部分はみぴのオリジナル意見)
これが舞踊の…というか、民族によって心地よく感じるリズムの基本なんだそうです。 だから民謡にしても、踊りにしても、あるいは和歌にしても、三拍子の古典は少ないのだというお話。
あと面白かったのは、天の岩戸で舞った女性(巫女?)について、日本書紀と古事記の内容を比較し、どんな舞いだったかを推測してるのですが、「ほとをやく」という記述があって、それはどういうことかを延々延べているのです。
古事記研究者の上野先生の意見を伺いたいところですが、興味のある方はご一読を。
武智鉄二著『舞踊の芸』東京書籍