よほど気に入った本か、常に手元におきたい本しか新刊本は買わないのだが、最近写真集を買った。 南川三治郎という写真家の
『カミーノ・デ・サンティアゴ』という本。 実は1月末まで、東京ミッドタウンの富士写真ギャラリーでこの写真展をやっていて、どうしても行きたかったのだが、結局行けずに終わってしまった、という理由もある。
フランスからスペインの果てまで、ピレネー山脈を越える1500キロの巡礼。
「千里の道も一歩から」ということわざは大嫌いで、「千里の道は飛行機で」がみぴ流なんだけど、巡礼という言葉にはすごく惹かれるものがある。 数日前、新聞のコラムに、「便利になりすぎた現代社会では、自分の行為に対する達成感が得にくい」という指摘があったけど、まったくその通りだと思う。 それがすべてではないけれど、1クリックで金が稼げ、1クリックで世界の商品が自宅に届き、1クリックで事が足りてしまう・・・
その時代に、あえて自分の足で1500キロの道を歩く。
多くは信仰的な問題だと思うが、それだけとは思えない。 やはり何か特別なものがあるのだと思う。 意外に若者が多いけど、達成感を得たいんだろうか・・・?
でも笑っちゃうのは、日本の朱印帳のようなスタンプ帳があって、巡礼ポイントでスタンプを押してくれるらしい。 スタンプラリーでもないけれど、やはり何かゲーム感覚的なものがあるとモチベーションを維持できるんだろうか。